コラム

2024.07.30

第4回 商品開発の裏側【トレカサプライ編】

この度、カードやスリーブなど様々なトレカサプライをまとめて収納できる「パーティションBOX 1200」が新発売されました。おかげさまで多くの店舗様にてお取り扱いいただけ、大変感謝しております。

今回はアクラスのトレカサプライがどんなプロセスで作られているのかをみなさまにも知ってもらうべく、本製品の開発経過やちょっとしたウラ話について、お話ししようと思います。

 

1.企画の立案

【パーティションBOX 1200】は、カードだけでなくスリーブやプロテクターなどもまとめて収納でき、カラーボックスにピッタリ収まるサイズ感のストレージを目指して企画しました。

「カラーボックスに入るサイズ感」ということもあり、箱の寸法はすぐに決まり、まずは雑貨屋で買ってきた箱を切り貼りし、ハンドメイドのサンプルを作ってみました。

実際に使ってみて、これは行ける!と手応えを感じました。自分で使ってみて「これは便利!」と感じるかどうかは、商品を考える上で大事なことですね。

 

2.サンプルの作製

寸法も製品イメージもこの時点である程度固まったので、早速工場に相談しサンプルを作ることにしました。

出来上がった最初のサンプルがこちら。この時点で形状はほぼ完成に近いのですが、中のカードが取り出しにくかったり、片手で箱を持った際に蓋が浅すぎて開いてしまうなどの問題がありました。

また、可能なら中央の仕切りを着脱式にしたら便利じゃないかな?などの改善案を考えました。

最初のサンプルで全てが上手くいくことはあまり無く、2〜3回ほどリテイクして作り直したりすることが多いです。

 

3.サンプルの修正、変更

 

修正後のサンプルがこちら。蓋を少し深くしたことで、安定感が増しました。小さな変化かもしれませんが、こうした細かな変更が意外と大事だったりするので、気付いたときには早めに対処するようにしています。

 

また仕切りも取り外せる仕様に変更したのですが、着脱や組み立てが難しかったり、コスト面の問題が浮上して、このギミックは諦めることになりました。一見便利そうな機能でも、意外とそうでもなかったり、価格面が現実的でなかったりで諦めることはよくある話だったりします。

 

そんなこんなで工場と打ち合わせを繰り返し、出来上がった3rdサンプルがこちらです。組み立て方法を見直し、仕切り板に切り込みを入れカードを取り出しやすくしました。

最終的にこの形状をベースに、製品版を作ることとになります。

 

4.製品の本生産と案内

 

最終サンプルをベースに、表面の紙質をシボ入りの黒に変更し、出来上がった量産モデルがこちらです。ここまで来たらもう店頭に並んでいる製品とほとんど違いはありません。

最後にご提案用の資料作製、各取扱店様へのご案内、工場への発注、生産などを経て、晴れて商品が店頭に並ぶことになります。

企画を立ち上げてから形になるまで約4ヶ月、店頭に並ぶまで半年近くの時間がかかりました。商品によってかかる時間は異なりますが、このように様々なフェーズと試行錯誤を経て、新しい商品が作られています。

ちなみに企画進行時は、こちらのような白箱にデザインプリントを施した案もありました。中に入っているものを箱に書き込めて便利と思ったのですが、箱が擦れてすぐに汚れたり、黒く変色したりして、お蔵入りとなりました。

閃いて、作ってみたものの、思ったような結果にならず忘れ去られていったアイデアが、世に出た商品の影にたくさんあったりします。

 

以上「パーティションBOX開発の裏側」のお話でした。

こんな感じで、アクラス商品企画部は日々いろんなアイデアを形にしようとがんばっています。

お店でアクラスの商品を見かけたら、そんな話をふと思い出してもらえたら、企画冥利に尽きます。